3rd Album 「かさねの色目」
1 いまさらルーキー
(作詞 : 伊藤大輔、作曲 : 山田友和)
山田くんからメロディをもらった時、
歌詞の分量が多くなりそうだなと感じて。
歌詞を覚えやすいアイデアは無いだろうかと(笑)
それで何となく思いついたのが、
言葉が頭が何となく50音順になっていたら覚えやすいのでは?
というアイデア。
書いていてとにかく楽しかったのですが、
結局覚えるのは大変でした(笑)
諦観と反骨が同居する、
中年層の抱える心の叫びをお聞きください。
(伊藤)
編成上どうしても曲調が似たものが多くなってしまいそうになるのを打破するために、いろいろ考えた末たどり着いたのが、ロックンロール!
鍵盤ハーモニカでロックンロールとは我ながら無謀ではありましたが、最終的にはいぶさらテイストも満載の楽しい曲になりました。
(山田)
2 憂いの玉箒
(作詞・作曲 : 山田友和)
お酒が好きです。
とにかく、いかにおいしく酒を飲むかということだけを考えて生きているような人間ですので、必然的にお酒が題材の曲もうまれるというものです。
お酒は憂鬱な気持ちを掃き清めてくれる箒(ほうき)であるという意味の言葉がタイトルになっています。
お酒にまつわる言葉も色々と忍ばせていますので探して見てください。
お酒が好きな方も、飲まれない方も、みなさんにとっての玉箒(たまははき)を思い浮かべて聴いていただけたら幸いです。
(山田)
3 Calypso de 彼岸
(作詞 : 伊藤大輔、作曲 : 山田友和)
人生の喜びがテーマで書かれたメロディということで、
それに合う言葉は何だろう。
あ、スイーツか。
とOLのような事を思いつきつつ、
いや、でも洋菓子ばかり食べていたら身体にも良くないし、
和菓子の歌にしよう、
ということで、おはぎの歌になりました(笑)
ところで、”おはぎ(お萩)”は秋限定の呼び名であるとご存知でしたか?
春は”ぼたもち(牡丹餅)”。
どちらもその季節の花の名前になぞらえられています。
そして夏は”夜船”。
“いつ着いたか(搗いたか)わからない”から。
冬は”北窓”。
“北にある窓からは月(搗き)が見えない”から。
何とも風流ですよね。
(伊藤)
元々はトランペット吹きとして、ギタリストと二人での沖縄ツアーのために書いた曲。
原曲タイトルは「The Joy of Life」
私にしては珍しくひたすら明るい曲。
まさかあんな歌詞がつくとは・・笑
(山田)
4 素敵なピリオド
(作詞・作曲 : 伊藤大輔)
スイーツに欠かせないものと言えばコーヒー。
ということでコーヒーの歌です(笑)。 もう何のユニットかわからなくなりますが(笑)。
いえいえ、ちゃんと曲の根底には、 “そっと寄り添う応援歌”としてのメッセージが込められています。
走り続けていたらどこかで必ず不調が出ます。
時折ピリオドを打ちながら、 次の文章を書き始めるようなバランスで生きていきたいですね。
5 自主休暇のすゝめ
(作詞 : 山田友和、 作曲 : 伊藤大輔)
初めて人が書いた曲に歌詞をつけました。
日々あまりにも忙しそうな相方が過労死しないためにも、自分でお休みを作ることも大事だよ、という歌詞にしてみました。
コンセプトは、もし私が伊藤大輔くらい忙しかったらどんな休日をすごしたいか。
歌詞の中に出てくる料理は、「自主休暇のすゝめ風和え物」
ぜひ作ってみてください。
美味しいかどうかは保証しませんが。
(山田)
ジャズの世界の伝統的な形式に、
“リズムチェンジ”というものがあります。
“I Got Rhythm”という曲のフォームやコード進行のことで、
この形式を元にたくさんの曲が書かれてきました。
この曲は、そのリズムチェンジの形式で書かれています。
相応しい歌詞を山田くんが乗せてくれました。
(伊藤)
6 あらくしゅみ
(作詞 : 伊藤大輔、作曲 : 山田友和)
タンゴ調のドラマチックなメロディに、
最初はラブソングの歌詞を書こうと思っていましたが、
途中から何故か、
いい店を見つけて行ってみると、
その度に定休日や臨時休業に見舞われる僕ら自身をモデルとした、
“不幸の歌”になりました(笑)。
あらくしゅみ、とは、インド神話の不幸の女神の名前です。
不幸の女神に愛されてしまって、憎むこともできぬかわいそうな男。
何をやってもうまくいかなかった、
そんな1日の終わりには、
ハッピーな曲よりもただただツイてない男の歌の方が響くかと(笑)。
(伊藤)
鍵盤ハーモニカの音色に合いそうなものを作ろうと思い、タンゴ調の疾走感のあるマイナー曲にしてみました。
作るときは楽しかったのですが、演奏はめちゃくちゃ大変です^^;
中間部のトランペットソロは鍵盤ハーモニカバージョンもあって、最後まで悩みましたがトランペットを採用。
鍵盤ハーモニカバージョンは何かの時のおまけでプレゼントしたりしてます。
(山田)
7 夜間避行
(作詞・作曲 : 伊藤大輔)
夜間の逃避行、という意味の造語です。
何事にも立ち向かっていくこと、
とても美しいことなのですが、
常に立ち向かっていたら本当に大怪我をします。
自然界では、叶わぬ相手と見極めたら逃げる、
というのが鉄則。
人の世でも、”逃げる”ことが肯定される場面は多いはず。
そして、
”頑張って立ち向かった日の終わり、
せめて夜の間だけでも逃げ出そう”
なんていう曲があっても良いはず。
(伊藤)
8 ぼくのお星さま
(作詞・作曲 : 伊藤大輔)
子育て中の全てのお母さんをそっと応援する歌であり、
皆さんそれぞれのお母さんに思いを馳せてもらえたらと思って書いた曲。
赤ちゃんが泣き止まないことを、
全て自分のせいと思ったり、
おおらかに全てをこなせないことを気に病んだり。
世のお母さんたちは本当に大変だなぁと思います。
毎日抱きしめてくれるお母さんたちを、
まだ小さな赤ちゃんは、
抱きしめ返してあげることはできないけれど、
そんな彼らの代わりに、
お母さんたちを抱きしめられる曲になったらいいなぁ。
(伊藤)
9 あやふふぁみ
(作詞 : 伊藤大輔、 作曲 : 山田友和)
昼と夜の間。夜と朝の間。
光と影は背中合わせで、どちらも同じ価値がある。
きっと人の心模様も人生自体も同じで、
元気な時、優しくいられる時、
そんな時ばかりが大切なのではなく、
落ち込んだり苛立ったりすることもあります。
人を傷つけたり、過ちをおかしたり。
誰もが経験することだと思います。
それらを否定したら、
人は人として存在できなくなります。
光と闇が同居する時間帯、”あやふふぁみ”は、
本当に美しく幻想的で、
光も闇も、どちらも祝福されています。
(伊藤)
日本最南端の有人島、波照間島が昔から大好きで、いつか彼の地で演奏することを夢見て、やっと実現した初ライブのために書いた曲。
タイトルは波照間島の古い言葉で、夕暮れ時や夜明け前、明るさと暗さが同時に存在している状態のこと。
この曲を作ってから約10年後、いぶきさらさで波照間島で演奏することになった時に、伊藤くんがこの曲にぴったりの素晴らしい歌詞をつけてくれました。
(山田)
10 きせき
(作詞 : 伊藤大輔、作曲 : 山田友和)
“奇跡”のようなできごとも、
そこまで重ねてきた”軌跡”が出会わせてくれたもの。
そして、夢にこだわることをやめて愚直に別の道を行ったら、
気がついたら昔夢見ていたことが実現したり。
人生は本当に不思議です。
でもはっきりしていることは、
“成功”や”失敗”そのものにそこまで大きな意味はなく、
どうなろうと、”軌跡”を重ねるために明日も一歩を踏み出していく、
ということが大切なのだなぁとつくづく思う今日このごろです。
(伊藤)
いぶさらの石垣島ツアー解散後、一人残って白保というところの宿に泊まった時、シュノーケリングしたり散歩したりするつもりが、ずーっと雨だったので仕方なく宿のベランダで鍵盤ハーモニカで作った曲。
今思うと、鍵盤ハーモニカでまるまる一曲作ったのは初めてかも。
伊藤くんが歌詞をつけることを想像しながら書きました。
(山田)
11 誰かが誰かをみつめてる
(作詞 : 伊藤大輔、作曲 : 山田友和・伊藤大輔)
この仕事を続けていると、
“友達が誕生日なので、バースデーソングを歌ってもらえませんか?”
というシチュエーションに度々行き当たる。
オリジナル曲を主体としているいぶきさらさには、
そんな時のために演奏できるオリジナルソングがあった方がいいのではないか、
というコンセプトのもと書かれた曲。
子どもを持つ親の立場になってみると、
自分はただ安穏と生きてきたつもりでも、
命の灯というのは、両親はもちろん、
色んな人達が手をかざし、
消えぬように守ってきてくれたのだということに気付かされる。
歳を重ねられること、いくつになっても当たり前ではないよなぁと。
そして、
守られた命は、また新たの命の守り手となるのです。
(伊藤)
誕生日の曲をいぶさらで作るということになった時に、思いついたあるアイデアを組み込んでみました。
よく聴くと、3:55あたりから・・。
この曲の前奏や、夜間避行、あやふふぁみには鈴木楽器さんからお借りした木製鍵盤ハーモニカを使用しています(´-`)
(山田)